社会心理学ショート・ショート -実験でとく心の謎- を読んで
今回は先日ようやく読み終わった「社会心理学ショート・ショート-実験でとく心の謎-」について書いてみようと思います。
自分は、学部の2年生の時にプロダクトデザインにおいて何か活かせるのではないかと考え、心理学の授業をとっていました。しかし、部分的に使えそうな話題があったものの、そういった話題がとても少なかったので、実生活に応用できそうなものが多く含まれるものはないかと調べ、この本を見つけました。
「実験でとく心の謎」と謳うだけに実験環境や得られたデータなどはしっかりと示され、実用的かどうかはわかりませんが、自分のイメージしている具体的な人間の心理メカニズムが記載されていました。
「同調」という心理現象に関する実験は非常に驚愕的でした。「同調」というのは、他人の意見に合わせてしまうことですね。この本に記載されている実験では、99%の人が正答することができる簡単なテストにおいても、ある環境下では被験者25%が答えを誤ってしまうという結果が出ていました。
その簡単なテストというのは以下の様なものです。
- 紙に隣り合った2つの箱が書いてあり、左の箱には1本、右の箱には3本の線分が引いてある。
- 右の箱の3本線分の内の1本は左の箱の線分と同じ長さ。
- 右の箱の3本の線分から左の箱の線分と同じ長さのものを選ぶ。
実験環境を具体的に説明しますと、
1. 被験者を7人集め、一列に並ばせる。
2. 実は、後ろから二番目の被験者が本当の被験者。それ以外はサクラ。
3. サクラにわざと間違えて回答させる。
4. 本当の被験者に答えさせる。
このような実験環境化では、「同調」が強く働き、誰でも解ける問題でも間違ってしまう。もし、問題がより難しくなった際には、果たして正解することができるのだろうか?という話題でした。
これはとてもおもしろいですよね!?
こういった話が沢山盛り込まれているのが、この本です。
しかし、最初に「ようやく読み終わった」といいました通り、この本を読み切るのは結構体力が要ります。中盤が非常に難しい話題になるのとデータの見方がわからなくなるのがその理由です。
それでも読んでみたいという方がいるのであれば、どうぞ!
自分は当分読みなおすことはないかな…
制作に活かせそうだなとは思うのですが…